資本金の意義
本日、金融機関の方と熱く語ったお話を、皆様にお届けします
税理士という立場で色々な会社を見て来て、会社設立をご検討の個人事業者向けのアドバイスです!!
今回は、資本金。次回は、個人事業から法人成りするタイミング(財務内容の面から)についてアドバイスを。
会社を設立する時に、資本金を出資すると思います。
個人事業時代に貯めたお金を資本金として出資するのが一番多いパターンですが。
中には個人の資産を出資(現物出資)するケースもあるかと思います。
現物出資オンリーの場合、手元にお金がありませんので、役員が個人的に会社にお金を貸し付ける形で会社の通帳に入金して、運転資金とします。
その後、貸し付けたお金を返済できるタイミングで返済したり、貸し付けたまま、その貸付金を資本金として増資するパターンがあったり、色々です。
このような形で、代表者や役員の個人資産を会社に投入して事業を行うこと自体、一般的なケースです。
しかし、資本金として出資すべきお金は、通常は、出資後、役員報酬や給与として取ることを除き、個人に戻すお金ではありません(資本金は会社に対する貸付金ではありません)。
会社を作る時に資本金の金額を決定しますが、世間体や信用の面から、○○万がいいかな?という動機で、出資できる金額以上のお金を資本金にしてしまうと・・・
当然、会社設立後にお金を引き出すことになります。
法人になると、役員報酬や給与以外のお金を自由に引き出すことはNGです
(以下、役員が会社にお金を貸し付けていない前提)
自由に引き出したお金は「役員貸付金」という形で、会社が役員にお金を貸した処理になるのです。
そうなると、役員は役員報酬の中から少しずつ返済しなければなりません。
源泉所得税等の負担をしながら返済するのです。
「役員貸付金」があると何がよろしくないか?と言いますと、融資を受ける時に、金融機関からの印象が悪くなり、色々とネックになるのです。
ゆえに、会社設立をご検討の方、資本金は会社の初期投資のお金ですので、一時的にお金があるときに大きい金額で資本金にして、または、資本金にする資金がない状態で会社を作ってしまい、後で個人に戻すことはNGです(いわゆる「見せ金の資本金」と言われる性質のものです)
後々、融資が必要になった時に、大きなダメージとなりますので、会社に「あげた」お金だという認識でいて下さい
資本金にできるお金が貯まってから会社を設立して下さい!
たぶん、会社をこれから作ろうと考えていらっしゃる方で、資本金のことをよく理解していらっしゃらない方は、後で回収しよう、とりあえず資本金にして後で回収すればいいかな?と認識されているんだと思います。
会社設立後に、出資した資本金を回収し、費消して戻せるお金がなくなってからでは遅いです!!
もし、ご自身の会社の決算書に役員貸付金という科目があった場合、上記事例の可能性も否定できません。
会社設立前に、ぜひ、税理士に相談を・・・
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この記事を書いた人
愛子先生
札幌市で4児のママ税理士として、愛子税理士事務所を経営しています。法人・個人事業者の顧問はもちろん、相続税をはじめ資産税もオールマイティーに対応しています!